12月6日(日)、東京・渋谷の国立競技場霞ヶ丘体育館におきまして、
今年で46回目となる、第46回全日本合気道選手権大会が開催されました。
12月になってから冷え込みが厳しくなり始めていた東京地方。但し大会当日は前日の雨も上がり、
日中はぽかぽか陽気。お隣の国立競技場では、ラグビー・早明戦が行われており、外も熱気に包まれていましたが、
体育館の中も声援と選手の熱気に満ち、寒さを微塵も感じさせない、熱い試合が繰り広げられました。
<合気道綜合乱取>:
昨年の大会よりは若干少なめの23名のエントリーで始まった綜合乱取。A/B2会場に分かれて、
3回戦までは同時進行で行われました。
A会場では武田選手(千葉綜武館)、川島選手(城北綜武館)が的確な打ちを披露して順当に準決勝へ、
B会場では打ち・投げのコンビネーションを見せた松下選手(千葉綜武館)と、
やはり相手の隙をついた打ち・投げ技を見せて山本選手(上富綜武館)が準決勝に進出。
準決勝第一試合となった、武田選手と川島選手の戦いでは、打ちの鋭さに勝る川島選手が決勝進出を決め、
一方第二試合では、両者とも打ち・投げの攻防が繰り広げられましたが、松下選手が首抱え腰車、
そして腰車と投げ技を二本決め、決勝に進出。
決勝戦を前に行われた3位決定戦では、武田選手が山本選手を破って三位に入賞、山本選手は敢闘賞となりました。
決勝戦の組み合わせ、昨年、一昨年前の全日本選手権の準決勝戦と同じく見合わせ。両者とも鋭くそして強烈な打を得意とする選手。
試合開始早々に、松下選手が技ありを取ると、川島選手もすぐに左胴打で技ありを取り返すといった攻防を繰り広げましたが、
試合終了間近、一瞬隙をついた松下選手の右胴打が見事に決まり、三連覇を果たしました。
<合気道捕技乱取>:
29名という大勢の選手のエントリーのもと始まった捕技乱取試合。各道場の経験豊富な強者達が、それぞれ実力を発揮し順当に勝ち上がり、
A会場では岩崎選手(品川綜武館)、高瀬選手(本部綜武館)、B会場では昨年の覇者、佐藤選手(坂戸綜武館)と星野選手(品川綜武館)4名が準決勝へ駒を進めました。
準決勝第一試合。岩崎選手も自分のペースを最後まで崩さず試合をこなしてきたものの、昨年二位の高瀬選手が、リズムよく相手の攻撃に対応し、決勝進出を決めました。
第二試合では、佐藤選手が、星野選手を翻弄。大きくゆったりとした中でも切れのいい技を見せて、決勝へ。そして決勝戦は、昨年同様高瀬選手と佐藤選手により行われました。
さて決勝戦を前に行われた三位決定戦。こちらは、対戦相手は違うもののやはり昨年同様品川綜武館同士の同門対決。星野選手と岩崎選手により行われましたが、
経験に勝る星野選手が終始安定した技を見せ、岩崎選手を抑えて三位入賞を果たしました。岩崎選手は敢闘賞となりました。
そして決勝戦。二回戦から登場した佐藤選手。最後の決勝戦までペースは崩れることなく、高瀬選手も持ち味を出して食い下がりましたが、一歩及ばず。
昨年に続き佐藤選手が連覇を果たしました。高瀬選手は二位となりました。
<柔拳法組手乱取>:
学生団体の参加はないものの、いつもながら激しい試合を展開している柔拳法。12名のエントリーのもと、
やはりA/B両会場に分かれてスタート。A会場では、強烈な鋭い突き技を見せていた佐藤(大)選手(南總綜武館)と、
独特の構えから突き、蹴りを繰り出していた佐藤(祐)選手(品川綜武館)が準決勝へ。B会場では、
相手の懐に飛び込んで見事な中段突きをみせていた服部選手(坂戸綜武館)と同じように相手の懐に飛び込んでは突き、蹴りで応戦し、
的確な突き技で勝ち上がってきた飯島選手(品川綜武館)が準決勝へすすみました。
第一試合では、佐藤(祐)選手が間合いを取って相手の動きを見ながら攻撃するのに対し、一方の佐藤(大)選手は、
相手の攻撃を交わしておいて、返しという形で逆に攻撃をするといった一進一退の攻防でしたが、最終的には佐藤(大)選手が決勝へ。
第二試合では、飯島選手が服部選手を破り決勝へ進出いたしました。
決勝戦を前に行われた三位決定戦。佐藤(祐)選手と服部選手による試合。佐藤選手が服部選手を抑えて三位に入賞。服部選手は敢闘賞となりました。
決勝戦では飯島選手が積極的に攻撃を仕掛け、それに呼応するように佐藤(大)選手が返し突きを見せるといった一進一退の攻防が続いていましたが、
試合中盤、飯島選手が佐藤選手の蹴りを取り逆抱えにて技ありを先取。試合終盤、佐藤選手の上段を交わしておいて、
返しにてはなった飯島選手の中段突きが見事に決まり、飯島選手が優勝を果たしました。佐藤選手は二位となりました。
<自由形試合・徒手>:
例年盛り上がりをみせている自由形試合。本大会では、総勢12組の選手達によって、そのパフォーマンスが繰り広げられました。
見事な技の連携を見せるところもあれば、派手な演出で、場内をどよめかせる様な技を見せる組もあるものの、技の構成に優れた
草野・不二山組(埼玉綜武館)、島田・丸山組(札幌学院大学)、そして下田・福井組(北海道大学)の三組が、ポイントでは、
80.3点と同点で並びましたが、1秒に満たないわずかな時間差で、福井・下田組が優勝、二位に草野・不二山組、
そして三位に島田・丸山組が入賞いたしました。敢闘賞は、佐藤・村上組(松戸綜武館)でした。
<自由形試合・武器>:
武器の部は、総勢13組がエントリー。こちらは得物を使うだけに、互いの呼吸がうまく合わないと大きなミスにつながるといった難しい面があります。
こちらは普段あまり武器ものを使い慣れない学生団体より、合気や拳法以外にも、居合・杖などを稽古している道場団体の方が優位に立っているせいか、
上位入賞を果たしたのはすべて道場団体でした。
杖、ロープ、デッキブラシ、短刀、居合刀など様々な武器が登場してましたが、群を抜いた見事な演武を見せてくれたのが、第13組目の坂下・伊藤組(埼玉綜武館)。
頭一つ脱ける形で優勝。二位には、杖を利用した見事な投げを見せていた武田・後藤組(千葉綜武館)、
三位にはやはり杖を利用した技を見せていた志賀・村上組(松戸綜武館)が入賞いたしました。そして敢闘賞には、傘による演武を見せた斉藤・平岡組(品川綜武館)が入賞いたしました。
<少年部稽古風景>:
決勝戦・三位決定戦を控えて、一段落したところで行われる、少年部の稽古風景。
今年も下は5歳ぐらいから、上は小学校の上級生までといった30名以上の子供達が、
普段の稽古の様子を披露してくれました。
基本の受身にはじまり、基本合気投、組手・打込乱取、捕技・綜合乱取と、短い時間ですが元気いっぱいに、
彼らの普段稽古している技を披露。子供達の元気な声が体育館の中に響き渡っておりました。
さて、本大会で当流派の本年の主なイベントが終了いたしました。今年も一年間、各大会にご来場・ご声援頂き、誠にありがとうございました。
また来年も、よろしくお願いいたします。

≪ 大会結果 ≫
順位 |
氏名/団体 |
所属 |
合気道・綜合乱取 |
1位 |
松下 裕里 |
千葉綜武館 |
2位 |
川島 大 |
城北綜武館 |
3位 |
武田 康 |
千葉綜武館 |
敢闘賞 |
山本 孝史郎 |
上富綜武館 |
合気道・捕技乱取 |
1位 |
佐藤 仁 |
坂戸綜武館 |
2位 |
高瀬 洋之 |
本部綜武館 |
3位 |
星野 久子 |
品川綜武館 |
敢闘賞 |
岩崎 久美 |
品川綜武館 |
柔拳法・組手乱取 |
1位 |
飯島 正和 |
品川綜武館 |
2位 |
佐藤 大介 |
南總綜武館 |
3位 |
佐藤 祐貴 |
品川綜武館 |
敢闘賞 |
服部 美賢 |
坂戸綜武館 |
|
順位 |
氏名/団体 |
所属 |
自由形試合徒手の部 |
1位 |
福井 英之/下田 啓介組 |
北海道大学 |
2位 |
草野 大樹/不二山 駿組 |
埼玉綜武館 |
3位 |
島田 修平/丸山 青空組 |
札幌学院大学 |
敢闘賞 |
佐藤 晋一郎/村上 紘輔組 |
松戸綜武館 |
自由形試合武器の部 |
1位 |
坂下 一則/伊藤 真一組 |
埼玉綜武館 |
2位 |
武田 康/後藤 茂組 |
千葉綜武館 |
3位 |
志賀 英祐/村上 裕介組 |
松戸綜武館 |
敢闘賞 |
斉藤 永太郎/平岡 牧子組 |
品川綜武館 |
|

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