サイバー綜武館

去る11月26日（日）、東京・渋谷の国立競技場霞ヶ丘体育館におきまして、第43回全日本合気道選手権大会が開催されました。今回の大会は、例年に比べて1週間早い、11月の開催。大会当日、あいにくお天気はいまいち。肌寒さもありましたが、体育館内は選手に対する声援、彼らの見せるその技やパフォーマンスに対するどよめき、そして選手を含めた来場者皆さんの熱気もあってか、いつものごとく熱い一日となりました。

綜合乱取試合：

合気道綜合乱取は、A・Bの二会場に分かれて行われた1･2･3回戦。初戦から激しい試合の連続。打ちへのこだわりを見せる選手もいれば、投げへのこだわりを見せる選手もおり、それぞれの個性のぶつかり合いとなった接戦の連続でした。
さてこの接戦を勝ち抜いてきたのが、昨年惜しくも準優勝に終わってしまった松下選手（城北綜武館）、藤本選手（北大水産）、山本選手（上富綜武館）、そして赤坂選手（札幌学院大学）の4名。準決勝第一試合では、松下選手がたくみに相手の投げを交わし、かつ隙を突いて見事な打技を二本決めて決勝へ。そして第二試合ではやはり、見事な打ち技を見せて一回戦から勝ち上がってきた、赤坂選手の勢いが山本選手を勝り、決勝戦へ。決勝戦は、松下選手と赤坂選手のともに打ちを得意とする選手同士の対決となりました。先手を取ったのが松下選手。左利きの優位を生かしての見事な右胴打ちが炸裂。これに対して、左利きを相手にしてもあまり苦戦を感じさせない赤坂選手が、同じく左胴打ちで返して、イーブンに持ち込み、加えて連続して強烈な打ちを見せており、あわよくば逆転と思われたその一瞬の隙を突いた松下選手の右胴打ちが炸裂。昨年惜しくも準優勝に終わった松下選手が、本大会では見事初の優勝に輝きました。

捕技乱取試合

捕技乱取については、初戦から接戦の連続でした。ただし、1回戦、２回戦と試合が進むにつれ、次第に選手が絞り込まれてくると面子は、やはり経験豊富な選手が中心。3回線を制して準決勝に残ったのは、池田選手（千葉綜武館）、佐藤選手（坂戸綜武館）、滝口選手（松戸綜武館）、高瀬選手（本部綜武館）の四名でした。
さて準決勝第一試合となった、池田選手と佐藤選手の試合は、昨年惜しくも優勝を逃した佐藤選手の落ち着いた流れのある体捌きと、そしてそこから繰り出される無理のない技により終始優位に試合を展開し、昨年に続き決勝へ。そして第二試合の電大OB同士の戦いとなった、滝口選手と高瀬選手の試合では、僅差を制して高瀬選手が決勝へ進出を決めました。決勝戦でも、ペースが乱れることなく終始落ち着いた試合を展開した佐藤選手がやはり僅差で高瀬選手を破り、優勝に輝きました。３位決定戦では、池田選手が滝口選手を破り入賞を果たしました。

自由形試合
徒手の部：
エントリー16組と例年になく大勢のエントリーがあった自由形試合徒手の部。時間オーバーがあったり技が雑だったりと、完成度が低かったせいか例年になくあまり高くないレベルでの争いとなってしまいましたが、一組終始座技を主体に技を構成した服部・川満組（坂戸綜武館）が、高い評価を得て、突出したかたちとなって、見事に優勝を。 2位には山谷・谷口組（札幌学院大学）、3位には澤田・三幡組（北星学園大学）の北海道勢が入賞。

武器の部：
武器の部は、昨年同様総勢15組のエントリー。こちらも完成度が今ひとつ高くなく、全体的に点数が伸び悩んだ形になり、誰が優勝を果たすのまったく混沌とした状態。これを僅差で制したのが杖を利用した演武を見せた鈴木・佐藤組（坂戸綜武館）でした。 2位には、池田・武田組（千葉綜武館）、3位には伊藤・鈴木組（川越綜武館）が入賞を果たしました。

柔拳法組手乱取試合
いつもながら激しい試合を展開している柔拳法。ルールにより上段への蹴りや中心線への攻撃は禁止されているものの、投げあり、突きけりありの激しい試合の連続でした。
激しい試合が展開される中、各道場の有力選手が順当に勝ちすすむ一方、昨年活躍した選手が、２回戦で姿をけすなど、接戦の連続でした。この接戦を制して勝ち上がってきたのが、昨年惜しくも優勝を逃した鈴木選手（坂戸綜武館）、飯島選手（品川綜武館）、来迎選手（品川綜武館）、荒川選手（松戸綜武館）の4名。
準決勝第一試合は昨年は準決勝で負傷し、決勝戦が不戦敗となってしまった鈴木選手が僅差を制して決勝へ。第二試合では、終始優位に試合を展開していた来迎選手が、荒川選手の追随を抑えて決勝へ進出いたしました。さて、決勝戦では終始優位に試合を進め、来迎選手の隙を突いた見事な上段突きにより技ありをきめ、決勝戦を制して、鈴木選手が見事優勝を果たしました。3位決定戦では、飯島選手が荒川選手を抑えて入賞を果たしました。

少年部稽古風景
例年以上に参加者が少なくなった少年部稽古風景。今回おおよそ30名ぐらいの子供たちが参加。基本の受身にはじまり、基本合気投げ、基本技、打ちと受け、捕技乱取、そして綜合乱取を披露。普段の稽古成果を存分に発揮しておりました。子供達の場合待っている時間がながいことから、元気をもてあまして体育館内を走り回っている子供達も多いのですが、それでもいざ本番となって自分たちの番になると、大勢の方が見ている前で緊張しているせいか、思うように技を出せないでいる子供達もおりましたが、先生方の指導もあって何とか技もこなしてくれました。