去る11月24日(月/振替休日)、東京・渋谷の国立競技場霞ヶ丘体育館におきまして、
今年で45回目となる、第45回全日本合気道選手権大会が開催されました。
11月になってから冷え込みが厳しくなり始めていた東京地方。但し大会当日は曇り空で、
すぐにでも雨が降りそうなお天気。いつ頃からか、ふと外は雨模様に変わり、
寒さもこたえる体育館でしたが、会場内は熱気に満ち熱ささえ覚える一日となりました。
冬の訪れとともに、例年師走におこなわれる当流派の最大イベントでもある大会。
今年も予定より一週間早まり、11月の開催となりましたが、体育館の中では熱戦に次ぐ熱戦が繰り広げられ、
選手達の繰り広げるパフォーマンスの一挙手一投足に、会場内におこる声援やどよめきで、
いっそうの盛り上がりをみせていました。
<合気道綜合乱取>:
昨年の大会よりは若干少なめの24名のエントリーで始まった綜合乱取。A/B2会場に分かれて、
3回戦までは同時進行で行われました。
A会場では武田選手(千葉綜武館)、川島選手(城北綜武館)が的確な打ちを披露して順当に準決勝へ、
B会場では打ちから投げへのコンビネーションを見せた松下選手(千葉綜武館)と、
やはり相手の隙をついた打ち技で村上(紘)選手(松戸綜武館)が準決勝に進出。
準決勝第一試合となった、武田選手と川島選手の戦いでは、打ちの鋭さに勝る川島選手が決勝進出を決め、
一方第二試合では、打ちだけではなく投げも見せ相手を牽制しつつ、最終的には鋭い打ち技で松下選手が決勝へ。
決勝戦を前に行われた3位決定戦では、村上選手が武田選手を破って三位に入賞、武田選手は敢闘賞となりました。
決勝戦の組み合わせ、昨年の全日本選手権の準決勝戦と同じく見合わせ。投げを出すぞと牽制して、
相手に最後の一歩を踏みこなせずに自分の間合いで試合を進める松下選手。
一方川島選手は相手の投げを警戒して今ひとつ思い切りよく踏み込んだ打ちによる攻撃ができないでいたところに、
松下選手の右胴が決まるといった試合展開。その後思い切りよく踏み込んでいったところを後ろ払い巻き込みで投げられ、
松下選手が見事に、昨年に続き優勝を。昨年三位どまりだった川島選手も今年は一つランクを上げて二位入賞を果たしました。
<合気道捕技乱取>:
昨年同様30名という大勢の選手のエントリーのもと始まった捕技乱取試合。学生連盟の選手たちは活躍をするものの、
各道場に所属するベテラン勢には一歩及ばないといった状況で、3回戦までを勝ち抜いたのは、A会場では星野選手(品川綜武館)、
佐藤選手(坂戸綜武館)、B会場では昨年の覇者、高瀬選手(本部綜武館)と前林選手(品川綜武館)の4名でした。
準決勝第一試合。1回戦・2回戦と順当に勝ち上がり、
3回戦ではあぶない面もあったものの何とか切り抜けて準決勝までたどりついた星野選手と2回戦から出場し順当に勝ち上がってきた昨年準優勝の佐藤選手との試合。
3回戦あたりから多少リズムが狂っていたせいか? 対佐藤選手との試合でも今ひとつリズムに乗れないといった彼女らしくない試合展開。
佐藤選手は体調を崩しているとはいえいつも通りにこなして、星野選手を破り、昨年に続き決勝へ進出。B会場で行われていた第二試合。
こちらも、今ひとつリズムに乗り切れていない前林選手を絶好調の高瀬選手が破って決勝戦へ。
決勝戦は昨年同様の組み合わせとなりました。
決勝戦を前に行われた三位決定戦。こちらは、星野選手と前林選手による同門対決。準決勝では今ひとつリズムに乗り切れていなかった星野選手でしたが、
三位決定戦ではいつものリズム感を取り戻したかのような見事な試合を見せて三位に入賞。前林選手は敢闘賞となりました。
さて、決勝戦。体調が悪いながらも決勝戦でもいつものような試合を見せていた佐藤選手に対して、高瀬選手は、
連覇がかかった決勝戦というプレッシャーのためか?受け捕り交代して投げ初めて早々にリズムが狂いだし、
ぎこちない試合となり、連覇はならず。昨年、惜しくも二位どまりだった佐藤選手が優勝を。そして高瀬選手は二位となりました。
<柔拳法組手乱取>:
学生団体の参加はないものの、いつもながら激しい試合を展開している柔拳法。14名のエントリーのもと、
やはりA/B両会場でスタート。A会場では、強烈な下段の払い蹴りを見せていた木村選手(松戸綜武館)と、
大きな人の懐に飛び込んでの鋭い中段突きを見せていた、服部選手(坂戸綜武館)が準決勝へ。B会場では、
昨年の覇者西村選手(坂戸綜武館)と飯島選手(品川綜武館)が準決勝へすすみました。
第一試合では、木村選手が服部選手を破り決勝へ。第二試合では、飯島選手が西村選手を破り決勝へ進出いたしました。
決勝戦を前に行われた三位決定戦。服部選手と西村選手による同門対決となりましたが、
経験に勝る西村選手が服部選手を押さえて三位に入賞。服部選手は敢闘賞となりました。
決勝戦までは順当に勝ち進んできた感のある木村選手でしたが、飯島選手との試合では今ひとつ力が及ばず。
飯島選手が優勝を、そして木村選手は二位となりました。
<自由形試合・徒手>:
例年盛り上がりをみせている自由形試合。本大会では、総勢14組と大勢の選手達によって、そのパフォーマンスが繰り広げられました。
全体的に飛び抜けて高得点をとったチームもなければ極端に低い点数のチームもなしといった混戦模様。
この中で一瞬会場をわかせるような大技も披露、頭一つ抜けた感じの佐藤(晋)・佐藤(輔)組(北海道大学)が優勝。
二位以下は混戦模様でしたが、息のあった演武を見せてくれた西村・服部組(坂戸綜武館)が入賞。
三位には佐々木・中嶋組(富山大学)が、敢闘賞には堀切(仁)・堀切(恵)組(南總綜武館)が入賞いたしました。
<自由形試合・武器>:
武器の部は、総勢14組がエントリー。こちらは武器を使うだけに、ちょっとした躊躇いや戸惑いが演武自体に大きく影響。こちらでは、
道場団体が力を発揮。徒手に比べ、ちょっとレベルの高い争いとなりました。この中、村上(紘)・高橋組(松戸綜武館)
が一つぬきんでる形となり見事優勝を。二位には、池田・武田組(千葉綜武館)がベテランの味を発揮して入賞。
三位には、桧谷・岩崎組(品川綜武館)が、そして敢闘賞には、石井・岩澤組(城北綜武館)が入賞しました。
こちらの部門は、ロープを利用したパフォーマンスなどもあって学生団体もがんばったもの、学生団体の入賞はありませんでした。
<少年部稽古風景>:
決勝戦・三位決定戦を控えて、一段落したところで行われる、少年部の稽古風景。
今年も下は5歳ぐらいから、上は小学校の上級生までといった30名以上の子供達が、
普段の稽古の様子を披露してくれました。
基本の受身にはじまり、基本合気投、組手・打込乱取、捕技・綜合乱取と、短い時間ですが元気いっぱいに、
彼らの普段稽古している技を披露。稽古風景まで、先輩や先生方の試合を元気よく応援していた子供達も、
いざ自分の番となって、さらに気持ちもヒートアップ。子供達の元気な声が体育館の中に響き渡っておりました。
さて、まだ一部これから段審査会を行う団体もございますが、本大会で当流派の本年の主なイベントが終了いたしました。
今年も一年間、各大会にご来場・ご声援頂き、誠にありがとうございました。また来年も、よろしくお願いいたします。

≪ 大会結果 ≫
順位 |
氏名/団体 |
所属 |
合気道・綜合乱取 |
1位 |
松下 裕里 |
千葉綜武館 |
2位 |
川島 大 |
城北綜武館 |
3位 |
村上 紘輔 |
松戸綜武館 |
敢闘賞 |
武田 康 |
千葉綜武館 |
合気道・捕技乱取 |
1位 |
佐藤 仁 |
坂戸綜武館 |
2位 |
高瀬 洋之 |
本部綜武館 |
3位 |
星野 久子 |
品川綜武館 |
敢闘賞 |
前林 良子 |
品川綜武館 |
柔拳法・組手乱取 |
1位 |
飯島 正和 |
品川綜武館 |
2位 |
木村 直 |
松戸綜武館 |
3位 |
西村 幸佳 |
坂戸綜武館 |
敢闘賞 |
服部 美賢 |
坂戸綜武館 |
|
順位 |
氏名/団体 |
所属 |
自由形試合徒手の部 |
1位 |
佐藤 輔/佐藤 晋太郎組 |
北海道大学 |
2位 |
西村 幸佳/服部 美賢組 |
坂戸綜武館 |
3位 |
佐々木 円/中嶋 渚組 |
富山大学 |
敢闘賞 |
堀切 仁美/堀切 恵美組 |
南總綜武館 |
自由形試合武器の部 |
1位 |
村上 紘輔/高橋 武大組 |
松戸綜武館 |
2位 |
池田 雅和/武田 康組 |
千葉綜武館 |
3位 |
桧谷 有/岩崎 久美組 |
品川綜武館 |
敢闘賞 |
石井 邦芳/岩澤 正仁組 |
城北綜武館 |
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